おそらくはジャニーズ史上初の“童貞&全裸キャラ”の金字塔をおっ立てた生田斗真=菊川玲二。興行収入20億円超えのメガヒットを叩き出した前作で、「やれることはすべてやりきった!」と語っていた生田だったが、「いつかまた大好きな玲二をやりたい」と密かに思っていたという。
その思いは皆同じ。しかし続編をやるからには「前作を超えなきゃ、やる意味はない」という思いも同じだった。そんな中、自然と原作の“チャイニーズマフィア編”をベースとした物語をやろうという話になったという。「せっかく続編をやるなら、スケールアップは必須。それならいっそ、日本を飛び越えたお話にしてしまえと」(by上原寿一プロデューサー、以下上原P)

原作では上海が舞台である物語を、「映画文化に理解がありそうだから」という理由で香港に置き換え、ついに初海外ロケ!と思いきや……。
「やっぱり海外だと撮影条件や内容的なことも含め、どうしても制約が多くなる。『土竜』の魅力は三池崇史監督のやりたいことをすべてやり切る、はっちゃけた部分だと思うんです。そしたら監督が“香港の熱海地区ってことでやろうよ”と。つまり日本で撮影しようってことなんですけど(笑)」(上原P)
結果香港は実景部分の撮影のみとなったが、そのぶん監督こだわりの“虎”をCGで縦横無尽に暴れさせたりと今回もやりたい放題!
日本一忙しい人気脚本家=宮藤官九郎もノリノリで脚本を書きあげ、前作を凌駕する“新・土竜ワールド”が産声を上げたのだった!
豪華キャスティングも三池組の『土竜』ならでは。まずは前作から個性溢れるキャスト陣が再び集結!主演の生田斗真は「すぐに玲二に戻れるか不安だった」と言いつつも、初日から完全に玲二モード。おなじみとなった金髪オールバックに、前作よりバージョンアップした鳳凰の刺繡を背負ったジャケットを羽織ると、そこにはスケベで暑苦しいほどに熱い菊川玲二が降臨!スタッフが「もう完全に玲二だね」と口々に言い合うなか、早朝の公道を全力疾走するといういきなりハードなシーンからのクランクインとなった。その姿を見た三池監督は「前の撮影から1週間くらいしか空いてない気がする」と笑顔。
そんな玲二の宿敵として登場するのが新キャラ=兜真矢役の瑛太。「玲二のライバルとしてどんなキャラが出てきたら面白いかは今回一番悩んだ点」(上原P)というほど大事だったこの役だが、玲二とはすべてが対照的なクールなエリート警察官を、どこまでも冷徹に演じ切る。実際に現場で瑛太が放つ兜の雰囲気は狂気すら感じさせる清廉潔白なエリートそのもの。久々の共演を「楽しみだった」と語る生田×瑛太同世代2人の、ガチンコバトルの行方はぜひスクリーンで見届けてもらいたい。
そして唐突なモテキが訪れた(?)玲二をめぐって、火花を散らす女が2人。玲二の童貞喪失のお相手=若木純奈(仲里依紗)と、超じゃじゃ馬な極道のご令嬢=轟迦蓮(本田翼)だ。美女2人のかわいいお口から繰り出される、ゾックゾクする罵詈雑言には昇天寸前!
そしてセクシーヒットマン=胡蜂(フーフォン)として、悪女役といえばこの人!の、菜々緒も参戦し、男性諸氏にはありがた~いお色気シーンまで体当たりで挑戦している。
もう1人の凄腕ヒットマン=クロケンこと黒河剣太には、前作に引き続き上地雄輔。相変わらずの全身タトゥーは健在だが、「今回は“髪あります”って言われて。マジ!?って」と嬉しそうな上地。前回はスキンヘッドの特殊メイクだったため7時間近くかかっていたタトゥーメイクが、今回は3時間で済んだことは彼にとって何よりの朗報だったに違いない。
そして玲二VS兜をフェザー級とするならば「こちらはヘビー級の戦いです」(三池監督) というのが、クレイジーパピヨンこと日浦匡也(堤真一)VS暴走モモンガこと桜罵百治(古田新太)のアダルティーな因縁バトル。「多忙を極める2人のスケジュールが奇跡的にピタリとはまった」(上原P)というミラクルで実現した神キャスティングに両ファンは狂喜感涙!
他にも玲二の最終ターゲットである極道のトップオブトップ=轟周宝を岩城滉一が連投するのはもちろん、警察署内のジャスティストリオ(吹越満、遠藤憲一、皆川猿時)も再登場。ファンにはお馴染みの“土竜の唄”の2番を謳い上げる姿は、前作以上の‘笑撃’を呼ぶ!…かも。
前作で“全裸で車のボンネットに括り付けられ洗車された日本唯一の俳優”という、輝かしい名誉(?)を得た生田。「前貼りの貼り方はプロ級です」と爽やかに公言する彼が今回挑んだのは、全裸キャンプファイヤー。い、意味が分からない!もちろん洗車同様、こちらも吹き替えは一切ナッシング。都内近郊でリアル炎を使ってロケを敢行した。全裸で火炙りされるという狂った状況の中、「普通に身の危険を感じましたね」と言いつつなぜか笑顔の生田。そんな生田を満面の笑みで見守る三池監督の目には、狂気が!?
生田のノースタント伝説は何も裸だけではない。「もともとできる限り自分でやりたいタイプ」と語っている言葉に嘘はなく、暴走するミニパトの前に体ごと飛び出すギリギリアクションなども当然のごとく吹き替えなし。もちろん事前にアクション部のスタッフが試しに飛び出してみるものの、そのあまりのギリギリぶりにさすがの監督も「いやいや。これ本人よ?(笑)」と心配顔。だがいざカメラが回り始めると「生田さん!もっとギリギリまで(ミニパトを)引きつけて!轢かれたかな?くらいまで!」と容赦ない指示。だがその指示に「はい!」とすんなり応えていく生田もまた、おそるべし。極め付けは、決して美しいとは言い難い工業地帯の海へ飛び込むアクション。NGが許されない一発勝負のためスタントマンは常時待機していたが、「いけそう?」(監督)「はい!」(生田)この短いやり取りだけでノースタント決定。
内心ハラハラするスタッフ陣の不安をあおるように、深夜から朝方にかけてのロケはこの日に限って押し始める。すると当初は2mほどだった水深がジワジワ上がり始め、ついには4m超えに!再び「いけそう?」(監督)「…(今さら無理とは言えないな)はい!」(生田)というやり取りが行われ、生田は見事海へのダイブシーンに一発成功!ずぶ濡れの生田が帰途に着いた頃、空は明るくなっていたそうな。
見た目は清楚、でもその中身はとんでもないじゃじゃ馬娘!?そんな二面性ハンパない迦蓮を演じたのは三池組初参加の本田翼。「普段はラブコメが好き♡」と笑顔で語っていた本田に、初日から三池組の洗礼!?かと思いきや……。狭い車内で華奢な足を思いっ切り振り上げ玲二の顔をぐりぐり。恋人の有無を濁す玲二に「スッと言えよ!キョーミねえんだからよ!」と口汚く恫喝する。これにはモニター前でスタッフ全員、大爆笑!そして大胆にも玲二の上に馬乗りになり、妖しく体を動かす(!?)というセクシーシーンにも堂々トライ。「本田さん、もう少しゆっくり動ける?」など細かく指示を出す監督の要求にも、躊躇なく対応する本田。迦蓮が動く度に「おう!」「はん♡」などオーバーアクトを繰り出す玲二の顔面演技にも、笑いをこらえきれないスタッフが続出する。
そんな浮気現場に颯爽と登場するのが、3年振りの純奈=仲里依紗。ちなみにこのシーンはすべて玲二の妄想ゆえ「純奈はすっごく怒ってるけど、後ろはお花畑みたいな画になるから」と監督。「(前作の)ホルモン蝶を思い出しますねぇ」としみじみモードの仲だったが、迦蓮とのバトルが始まるとその様子は一変。純奈を「ババア」呼ばわりする迦蓮に、「ガキがいきがってんじゃねえよ!こるぁ!」と迫力の巻き舌で応戦。さらに車のボンネットに仁王立ちし、フロントガラスを猛烈ストンピング!監督も思わず「こえ~!(笑)」と大絶賛。「怖いですよね~」と他人事口調の仲は、しまいには渾身の一撃でフロントガラスにヒビを入れ、車をフルボッコにして去っていった……。
そしてもう1人のセクシー刺客が、胡蜂役の菜々緒。ご存知、あのパーフェクトボディは 何を着ても似合う…が、布の面積すくなっ!「これくらい全然。せっかく『土竜』に出させてもらうなら、何か爪痕を残したくて」と語る菜々緒だが、がっつり爪痕残しまくり。玲二とのアクションでは、長い足をフル活用したハイキックからの~、大開脚!「足の開き具合、もっともったいつける感じで!」と刺激的な監督の演出は続くが、そのすべてに気持ちイイほどの笑顔で対応する。そして胡蜂の欠かせないアイテムといえば鞭。素人には大変難しいという鞭使いも、予想外のスピードで習得したそうで、「私って根っからのサドなんだなと再認識しましたね!」と豪快に笑い飛ばす。ぶ、ぶって下さい!
日本の映画スタジオで一番の広さを誇る東宝スタジオ内ステージ9に作られたのは、人身売買のパーティー会場。なんとも悪趣味なパーティーではあるが、そのセットは豪華絢爛。香港らしく赤を基調にしたゴージャスなインテリアやオシャレな照明器具、そしてステージ上にはよく響くドラと、巨大なドラゴンのシンボルがデン!と鎮座している。ここに各国から売られてきた美女たちと、彼女たちを買いあさる大富豪たち…総勢エキストラ140名が大量投入!現場には英語だけでなく様々な国の言葉が飛び交い、美女たちからはむせ返るような香水の香りと、かなりカオスな雰囲気。まさに何でもあり!な『土竜』ワールドにふさわしいクライマックスだ。
露出過多な衣装に身を包んだ美女たちが、鎖に繋がれ登場するシーンはモラルとは別の意味でとにかく圧巻。富豪役のエキストラたちも「ひゅ~ひゅ~!」と一斉に歓喜の声をあげる。しかし三池監督の演出は、相手がエキストラであろうとも全くゆるまない。少しでも彼らのテンションが落ちようものなら、「雰囲気がやや新橋のガード下みたいになってます!皆さん、リッチマンなんだから!今日3億円くらい持ってきてますよ!」など笑いも交えながら分かりやすく指示を飛ばす。
そんな富豪に混じって、付けヒゲ&メガネで変装したパピヨンの姿も。とはいえジャケットの背中部分に、でっかい蝶が……。「変装してるわりに、背中のパピヨンで丸わかりですね!」と言う監督に思わず笑顔の堤。
そしてここからは連日怒涛のアクション三昧。玲二にブチキレ、銃をぶっ放す兜=瑛太のガンアクションを皮切りに、華やかだった会場は一転、狂乱の修羅場へ変貌する。パニックになる富豪たちに「口々に何か叫んで!」と芝居をつけながら、瑛太に発砲の方向を具体的に指示する監督。「5発目はお好きな方向に!」の言葉には、瑛太もニヤリ。玲二の前に立ちふさがる最強の敵・兜=瑛太の熱演は、クライマックスへ向けて最大の見せ場となっている。パピヨンVSモモンガの空中戦も見どころタップリ!朝イチでワイヤーに吊られる古田だが「オイラは日本一ワイヤーに吊られている俳優」と豪語するだけあって、慣れた様子で楽々スタンバイ。かなりの高さから何度も飛び降りるテイクを繰り返すが、額からドクドク流血したメイクのまま「モモンガさんですよ!」と冗談を飛ばす余裕も。
対する堤は、パピヨンらしくしなやかで華麗なワイヤージャンプを要求される。「堤さんのタイミングでいって下さい!」とアクション部から言われ、「俺のタイミングって言われてもな」と苦笑い。しかしいざとなると一気に垂直にジャンプ。その予想以上の高さ&美しさに、全員が「おお~!」と驚嘆。「僕も古田も50過ぎてますから。とにかくケガのないようにってことだけは、お互い言い合ってましたね」と言いつつ圧巻の演技を見せた。
「毎日がお祭りみたい。終わるのが寂しい」撮影後半になると、そんなことも口にしていた生田。エブリデイ、エブリナイト覚醒しまくりだった生田(玲二)も、ついにクランクアップの時を迎えた。
朝からワイヤーで吊られ回され、落とされボロボロになった後、最後の最後は何ごともなかったかのように(笑)ビシッとスーツを着込み、前作で披露した“怒髪天ヘアー”にチェンジ。天にそそり立つ怒髪天で、かっこよくポーズを決めたところで生田斗真、全編終了!
「もし“すみません。撮影カメラの電源が入ってなかったから、全部1から撮り直します”って言われても、全然いいっすよ!って言えるくらい楽しかった!ほんとに!」と笑顔で語る姿には本作への確かな手ごたえが感じられた。